●山崎少年消防クラブ(長崎県壱岐市)
 


1.はじめに

 長崎県壱岐市は、福岡県と対馬の中間地点に位置し、人口3万1千2百人、1万1千6百世帯が居住する、総面積138.45平方キロメートルの玄界灘に浮かぶ、なだらかな地形の島です。
 管内事情は、高度100メートルを超える山地が極めて少なく、島全体は丘陵な大地から成り、全域に田畑が広がり、周りは美しい海岸線に恵まれており、島中心部には時を翔けるシルクロード・壱岐のグランドデザインのもと、2010年3月14日壱岐市立一支国博物館が開館し、暮らしの中にも歴史や文化が生きている島です。
常備消防体制は、昭和47年6月1日自治省告示110号に基づき昭和47年度消防本部・消防署を開設しています。
 当市消防本部は、1消防本部、1消防署、1支署、2出張所、職員62名で組織され、地域住民の安全・安心な町づくりを目指し防災に対応しています。

 


2.自主防災組織の概要

 管内の自主防災組織には婦人防火クラブが8クラブ122名、少年消防クラブが、14クラブ416名、幼年消防クラブが13クラブ609名のクラブ員で構成され、消防出初式、火災予防パレード、応急手当講習又消防訓練参加など、関係者の理解により組織の充実、強化を図り、火災予防の重要性や青少年の健全育成に努めることを目標に活動を展開しています。

 

3.少年消防クラブの活動

 管内の少年消防クラブは14クラブで構成されており、その中でも壱岐市石田町山崎触で活動している、山崎少年消防クラブは、昭和10年筒城山崎触少年夜警団として結成、その後、昭和47年常備消防発足後山崎少年消防クラブと改名し、山崎地域からの火災発生を防止するため、毎週日、月、水、金曜日の午後8時から約30分間山崎触一円の夜警活動を行うなど、地域の火災予防普及に努め、安心・安全に暮らせる地域づくりに寄与するとともに、青少年の防火に対する知識及び技能を普及し、防火思想を高め、団体行動を通じて社会への奉仕や責任感を養い、将来立派な社会人となるよう青少年の健全育成を図ることを目的として、現在小学生2名、中学生5名、OB高校生1名でクラブ活動を実施しています。

 
【夜警活動の様子】
 

4.ヨーロッパ青少年消防オリンピックに出場

 平成21年7月19日から26日にかけチェコ共和国で開催された、第17回ヨーロッパ青少年消防オリンピックに日本の少年消防クラブが初めて参加しました。青少年消防オリンピックは2年に1回開催されており、壱岐市石田町山崎触の山崎少年消防クラブが日本代表チームの選手として出場しました。
 青少年消防オリンピックは、12歳から16歳までの1チーム10名で構成し、今大会は23カ国の代表チーム等49チーム(内 日本代表チームが2チーム、女子のみ参加チームが8チーム)が出場し山崎少年消防クラブ率いる日本代表チームJAPAN2は41チーム中29位と大健闘しました。
 競技内容はスポーツ競技(400メートル障害リレー)及び消防障害物競走で、リレーはバトン替わりに筒先を使い、最後はホースにつないでゴール。障害物走は煙道くぐりや高さ2mの柵越えの他、巻き結びなどの結索、手押しポンプで放水して規定の箇所に5邃涛・黷髑ャさを競います。
 また、競技が終わった後には交流イベントとして国ごとの展示会において国際交流が行われ、折り紙の実演を行った日本ブースが大人気となりました。国自慢大会のパフォーマンスでは阿波踊りを披露し会場は大いに盛り上がりました。
 山崎少年消防クラブは限られた練習日数の中で訓練結果を十分発揮し最高の結果を残してくれたことと共にこの経験を地域防災に生かしてくれることと思います。

 同じチームとして参加した、東京都小岩消防少年団や札幌市富丘少年消防クラブ及び阿波市土成中学校少年少女消防隊のチームメートや他国の友達と交流を深め、多くの仲間ができたことは、生涯忘れることのできない経験と思い出になったことと確信します。




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