044)大分: 2008年8月アーカイブ

「お前!操法訓練をどげえ考えちょるんか!」

入団の頃、農作業の多忙さで操法訓練を休みがちだった私に、いきなり落ちた雷!この雷のおかげで今私はここにいます。地元の空気に馴染み山の水に育てられ、心を寄せ合い同じ地域の者同志がいざという時、故郷を守るため奮闘するのが消防団員だと認識しています。 

 昨年の台風11号の時、佐藤のおっちゃんは寝たきりで奥さんと二人暮らし。家は少しの雨でも崩れそうな山の真下です。荒れ狂う台風の最中、4人で巡回に出たところ佐藤のおっちゃん宅は既に家の中まで水没し二人はベッドの上で震えていました。消え入りそうな声で「あんたどう来てくれたんな」と奥さんは言いました。どんなに心細かったことでしょう。1人の団員は腰を抜かした奥さんを背負い、3人の団員で寝たきりのおっちゃんをベッドごと担き出し親戚の家に避難させました。 

 消火剤詰替えの時、地元の婆ちゃんから「若けえ男衆が来てくれるんはこげん時しかねえ」とお菓子を山ほどくれます。このように地域が私の存在を喜んでくれ誇りを持てる消防団こそ究極の居場所だと実感します。  

 私たち消防団の務めは消防、防災だけに限りません。青年団も婦人会も無い今日、地域を盛り上げる役目もあるのです。地元から「何かやってくれる」という期待を裏切らないのが消防団の務めです。大事なことは身近に消防団を感じてもらい誰からも声を掛けられる存在でいることではないでしょうか。

 地震・雷・火事・台風いざという時、住民の命と財産を死守するべくヘルメットと活動服をまとい現場へ飛び出してゆく。地域を支える力があるという安心感は平和の礎です。消防団員として日本の平和の末端を担うことをここに誓います。

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