消防団国際会議の開催に当たって

  この度、(財)日本消防協会は、自治体消防制度60周年記念事業として、総務省消防庁、全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国消防長会、東京消防庁など関係団体の協力を得て、消防団国際会議を世界で初めて日本で開催することとしました。

  安全・安心の確保は、我が国のみならず、世界の人々の共通の強い願いであります。しかしながら、我が国においては、近い将来発生が懸念される大規模地震を始め、毎年のように大きな被害をもたらす風水害、死亡者が最近増加している住宅火災、さらには、国民保護法による緊急事態への対処など、多くの課題が山積している状況にあります。

  こうした中で、我が国においては、「自らの地域は自ら守る」という郷土愛護の精神に支えられた消防団の役割が益々重要になっております。一方、消防団員は最近年々減少し、昨年には90万人を割りこんでしまう状況となってしまいました。私は、このような事態は、地域の安全を確保するうえで大変憂慮されるものであり、この減少傾向を食い止め、増加に転じることができるよう、最大の努力をすることが必要であると考えています。

  さて、ヨーロッパ、アメリカを中心として、世界各国に日本の消防団と同様の義勇消防の制度があり、各国の消防防災体制において、それぞれ重要な役割を果たしていますが、これまでの私どもの海外消防事情調査等により、要員確保や非常災害への対応など我が国と同様の課題に直面していることが分かって参りました。

  こうしたことから、今回、世界主要国の消防団の代表の方々にお集まり頂き、消防団の当面する課題や大規模自然災害、テロ対策における消防の役割等について、議論して頂くこととしました。各国共通の課題について、互いに情報交換をし共に議論することは、我が国のみならず、世界の消防団、消防の発展に大きく寄与すると考えております。

  皆様には、消防団国際会議の趣旨をご理解頂くとともに、本会議の開催に向けて、種々ご協力を賜れば幸いであります。


  終わりに、常日頃、消防防災の最前線にあって、人々の生命、身体、財産を守るため、昼夜を問わず献身的にご尽力されている、我が国、世界の消防団員・職員の皆様に、心から敬意を表し、消防団国際会議開催に当たってのご挨拶と致します。

消防団国際会議実行委員会会長
((財)日本消防協会会長)
片山 虎之助