公益財団法人日本消防協会の臨時理事会及び定時評議員会等の開催

 平成27年6月19日(金)、公益財団法人日本消防協会の臨時理事会及び定時評議員会等が日本消防会館において開催されました。
 平成26年度の事業報告及び決算、その他各議案の説明が行われ、いずれの議案も原案のとおり承認されました。
 評議員会の冒頭、秋本会長から次のとおり挨拶がありました。
 皆様方、ご多忙の中ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 今日の評議員会は、平成26年度の事業報告及び決算が中心であります。
 4年前に東日本大震災が発生し、福祉共済等では辛い決定をせざるをえない、事業の見直しをするといったことでありましたけど、平成26年度は平常に復した年であり、公益財団法人としての最初の年でありました。色々な仕事のやり方や公益財団としてのルールを変更しなければならないところもあり、ご協力のお願いをいたしました。おかげさまをもちまして無事に終えることができました。また、多くの方が東日本大震災で殉職されたことにより、残されたお子様方に対する奨学金の支給について、従来の仕組みでは対応しきれないことから特別の基金を設け寄付をお願いいたしました。その結果、5月の初めで目標である5億円を達成することができました。全国の皆さんにご協力いただいたことをあらためて深く感謝申し上げます。これで残されたお子様方に滞りなく差し上げることができます。

 そして、平成26年度は、一昨年に成立いたしました「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」の施行の最初の年でもありました。昨年の8月には初めてといっていい全国的な国民的大会を行いました。また、平成27年度に向けて全国の消防団の皆さまに対して、市町村の予算の増額ということについてご尽力をお願いいたしましたところ、装備費については従来ベースの7割増の伸びを示すことができました。それぞれの消防団が頑張っていただいた成果であり、このことに対しまして敬意を表しますと同時に、更に、これを伸ばしていかなければならないと思っております。

 日本消防を長い歴史で見たとき、第3期に入ってきていると思います。明治27年に消防組規則が制定されて全国に統一的な消防団がスタートしました。それから全国に日本消防の基盤づくりが進んでいきました。その上に立って約40年前から全国的に常備化が進みました。10年ほどの間に常備化が進んだのは大変なことでありますが、消防団が全国に整備されていたことが基礎になったと思います。そして、その中で阪神・淡路大震災が発生し、緊急消防援助隊を作り、それを中心にしながら常備の体制整備、装備の改善等が大幅に進みました。これが第2期と言えます。私は、一方で消防団を中心とした地域の体制が大事だと述べてきましたが思うようにならない中、東日本大震災が発生したことで、大変きつい体験をし、厳しい教訓を突き付けられた思いがありました。

 そこで、日本消防協会としては、新しい法律を作るようにと意見を出し、法律を作っていただきました。そして今、日本の消防の歴史でいうと、第3期に入ってきていると思います。消防団で基盤整備し、常備化が進んで体制を強化、第3期では常備はもちろんのこと消防団、国民の方々も含めて、総合的な地域の防災力を強化して行こうという時期に入ったと言えます。これは、今の災害の状況を考えると特に必要性が高くなっています。これまでの常識では考えられないような災害が発生し、これに対して地域として対応するということが大切になっています。局地的な災害だけでなく広域的な大規模災害でありましても、それぞれの地域でどのように対応していくかという積み重ねが大事であります。今後、災害状況の変化、大災害の発生が懸念される中で、地域の体制強化が強く求められる時代、すなわち、日本消防第3期というべき地域消防防災体制の強化を進める時代に入ってきました。平成26・27年度はその幕開けの時期になっています。

 これから27年度以降におきましても、そのような考え方のもとに、これまで進めてきましたことを発展させるため、引き続きご指導、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

続いて、来賓の坂本消防庁長官からご挨拶を頂きました。
 皆さま方には、評議員会という事で全国からお集まりいただきました。誠にご苦労様です。

 ただ今、秋本会長からお話がありましたように、新しい展開に移っていっているという認識が消防庁にもあります。いろいろな危機があり、その危機が発生する前のマネジメントをリスクの管理といい、危機が起こった時のマネジメントをクライシスの管理といいます。事前に何をしておくかと、起こった時に何をするかという事が重要であります。

 最近特に大きい危機が発生しています。東日本大震災、広島土砂災害、御嶽山噴火等の大きな災害につきましては緊急消防援助隊が対処することになりますが、大きな部隊を展開するためには時間を要することから、その間は地域で対処してもらわなければなりません。従って、大きな救助力を展開するまでには、やはり消防団の活躍が期待されており、地域の防災力の強化が必要です。消防団の皆さまは、大きな救助力をうまく地元展開できるように導いていただかなければなりません。応援力を強化する責務は消防庁にもありますので一生懸命頑張ります。しかし、大きな危機が発生した場合は、大きな救援力を地元の受援力を発揮して速やかに展開いただくには、地元の防災力の強化が欠かせません。皆さんには、大きなところから小さなところまでのリスクの管理をお願いしたいと思います。

 その時の中核的な組織は消防団です。現在、86万人であり、高齢化により減少しつつありますが、これからは女性の力も借りて女性消防団を増やしていきましょう。また、事業所に対して消防団へ協力していただくことを経済界に協力要請いたしました。地域で是非とも消防団をもっと大きくして、地域防災力を高めていただきたいと思います。

 本日は、ここにお集まりいただき審議していただく、団結していただくという事は本当に意義あることだと思います。地域の防災を期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

1 臨時理事会
(1) 議案
ア 第1号議案  名誉会員の選任について
イ 第2号議案  内閣府への定期提出書類の提出について
(2) 説明事項
ア 平成26年度事業報告について
イ 平成26年度決算について
(3) 諸般の報告
ア 第20回ヨーロッパ青少年消防オリンピックについて
イ 第29回中国消防調査(内モンゴル自治区)について
ウ 第22回全国女性消防操法大会について
エ 第25回全国消防操法大会について
オ 第21回全国女性消防団員活性化佐賀大会について
カ 消防団防災学習・災害活動車両の交付について
キ 少年消防クラブ全国交流大会について
ク 消防団予算の状況について
ケ 消防団応援の店について
コ 東日本大震災消防殉職者遺児育英奨学基金について
サ 消防個人年金制度へのさらなる加入拡大について
シ 消防団ドラマ「HEAT」について
ス 日本消防会館の改築問題について
2 評議員会
議案
第1号議案 補欠評議員の選任について
第2号議案 補欠理事及び補欠監事の選任について
3 定時評議員会
(1) 議案
ア 第1号議案 平成26年度決算の承認について(平成26年度事業報告等の報告を含む)
イ 第2号議案 会計監査人の再任について
(2) 理事会決議事項の報告
ア 内閣府への定期提出書類の提出について
イ 名誉会員の選任について
ウ 顧問の選任について
(3) 諸般の報告(上記1と同じ)
※一部の評議員、理事及び監事の辞任に伴い、その後任に選任された方等は、以下のとおりです。
 公益財団法人 日本消防協会 〒105-0021 東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル 電話:03-6263-9401(代表)
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